制震ダンパーは、メリットだけでなく、少なからず注意点もあります。耐震のような基準がないため、粗悪品かどうかの判断が難しいという点です。ここでは、制震ダンパーを選ぶ際に、良品を見極める目とその重要性、お施主様への説明ポイントについて解説していきます。
制震工法は近年だいぶ認知が進んできていており、様々なメーカーから制震ダンパーが開発されています。
しかし、「制震」は「耐震」のように建築基準法に基づく明確な基準がなく、耐震改修のルールで定められてもいません。そのため、商品の性能については工務店自身が判断して選ぶ必要があります。基準がないが故に、製品についての性能や安全性が分かりにくく、プロの目から見ても比較・検討が難しいといえるでしょう。
過去には、ビル免震・制震でのデータ改ざん、免震偽装などの不祥事が起きたたこともあります。そのような改ざんは、めったに起こることではありませんが、製品の中には性能的に疑わしいものや粗悪品があるともいわれています。
万が一、粗悪品を導入してしまうと、お施主様の信頼を裏切り、会社の信用を失うことにもつながりかねません。
制震ダンパーについては、工務店としての知見を駆使して、よく理解したうえで良品を見極めることが大切です。粗悪品には十分に気を付けましょう
まもるさん
良品を見極めるには、基礎知識に加えて、正しい選び方や各メーカーが公表するエビデンスの見方も知っておくといい。それでも、何から選べばいいのか迷ったら、まずは下のリンクで紹介しているオイル・ゴム・鋼材それぞれのおすすめ3選をチェックしてみよう。
お施主様との商談時には、上記5つをポイントにすると、制震ダンパーについての理解を深めていただけるはずです。特に、強い家づくりを得意とする工務店にとっては、耐震にプラスして制震ダンパーを導入することで、耐久性を補完できるだけでなく、お施主様の安心獲得もしやすくなるでしょう。
まもるさん
工務店・現場作業のプロなら、自分たちの手で「耐震等級」を満たして建てた家には十分自信があるはずだ。地震が多発する日本だからこそ、今後はもっと安心して住める家づくりのために、制震ダンパーで補強することも考えていこう。メーカーへの資料請求から施工日までのスケジュールは、下の<虎の巻>も参考にしてほしい。
「制震ダンパーは種類が多くて、何を選んだら良いか分からない…」という方のために、手軽に取り付けられる「施工が簡単な制震ダンパー」や、安全性が高い「在来工法を強固にする制震ダンパー」、販売実績がある「知名度が高い制震ダンパー」をご紹介。導入時は、施工性やダンパー本体のサイズ、住宅との相性も確認しましょう。
・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
・リフォーム、後付け、新築、に対応尾可能
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 55mm×245mm×145mm |
設置本数 | 8本~ |
施工期間 | 1.5~2時間 |
・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
・新築のみ対応可能
価格 | 約60万円/40坪 |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 要問合せ |
施工期間 | 要問合せ |
・販促ツールでの工務店フォロー
・無料のシミュレーションソフトを提供
・新築に対応可能。(リフォーム・後付けは要問合せ)
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 4ヵ所/約42坪以下 |
施工期間 | 約2時間/1棟あたり |
(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人
日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。
下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。