住宅制振指針とは、正しくは2024年7月に「一般社団法人 日本免震構造協会」によって作成・販売された「住宅制振設計マニュアル」を指します。
これまでは各制震装置メーカーによってバラバラだった選定基準の統一と、設計者による適切な判断の補助を目的として発行されました。
このマニュアルには、制震ダンパーなど各種装置の性能評価に関して、詳細な基準が記載されています。また、制振性能を測定する方法や評価する基準に関しても記載されており、これまで適切に比較できなかった制振装置を適切に評価・比較できるようになりました。
(一社)日本免震構造協会は、地震に強い建築構造の普及を目的に活動する専門団体です。特に免震・制震技術の研究・開発や、技術者への教育、一般市民への普及啓発活動などを行っています。
この協会は、建築・土木分野の専門家や企業、大学と連携し、先進的な耐震技術の推進に努めています。また、制振や免震に関する基準の策定支援や、技術審査・性能評価といった業務も担っています。
上記の指針・マニュアルは、あくまでも免震・制震構造体の調査・研究・普及のために立ち上げられた一団体が策定したもの。同団体で建築基準法に従って免震構造の性能評価なども行なっているので、ある程度の信ぴょう性はありますが、過信は禁物。
国が定めたものではないことに加え、「マニュアル通りに設計している」としても、実際にどの程度の性能があるのか、試しているかどうかが分からないケースもあります。
ですので、「指針に従っている」=安全である、と鵜呑みにするわけにはいきません。個々の製品の性能をしっかりと確認し、どの制震装置を導入するかを判断する必要があります。
制震ダンパーの選定にあたっては、各メーカーが独自に実施している性能試験や耐震実験の結果を確認することが非常に重要。実際の振動台実験や長期間の加力試験など、製品がどのような条件下でどれほど効果を発揮するかを示すデータは信頼性を図る材料となります。
特に、第三者機関と連携した試験結果や公的研究機関との共同研究などがあれば、客観性が高く、安心して採用できます。また、施工後の検証結果や、実際に地震を経験した物件での挙動などもあわせてチェックするのが理想です。
これまではバラバラだった制振装置の性能評価が、共通の基準によって評価されるので、より比較しやすくなります。
なお、一部制震装置において「国土交通大臣認定」という記載がありますが、これは耐力壁としてカウントできる、という意味合い。制震装置として認定を受けているわけではないので、注意が必要です。
「制震ダンパーは種類が多くて、何を選んだら良いか分からない…」という方のために、手軽に取り付けられる「施工が簡単な制震ダンパー」や、安全性が高い「在来工法を強固にする制震ダンパー」、販売実績がある「知名度が高い制震ダンパー」をご紹介。導入時は、施工性やダンパー本体のサイズ、住宅との相性も確認しましょう。
・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
・リフォーム、後付け、新築、に対応尾可能
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 55mm×245mm×145mm |
設置本数 | 8本~ |
施工期間 | 1.5~2時間 |
・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
・新築のみ対応可能
価格 | 約60万円/40坪 |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 要問合せ |
施工期間 | 要問合せ |
・販促ツールでの工務店フォロー
・無料のシミュレーションソフトを提供
・新築に対応可能。(リフォーム・後付けは要問合せ)
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 4ヵ所/約42坪以下 |
施工期間 | 約2時間/1棟あたり |
(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人
日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。
下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。