ピロティ構造の家の耐震性能とは？

ピロティ構造の家は壁がなく柱だけの構造で、開放的な空間が特徴ですが、耐震性能について不安を感じる人もいるかもしれません。本記事では、ピロティ構造の家の耐震性能、そして制震ダンパーの設置がおすすめできる理由について解説します。

ピロティ構造の家とは

ピロティ構造の家は、2階以上の建物の1階部分に壁を設けず、柱だけで支える独特の建築形式です。この構造では、1階部分が開放的な空間となり、2階以上に通常の建物としての機能が設けられています。

ピロティ構造は、フランスの建築家ル・コルビュジエによって考案されました。1931年に完成したサヴォア邸が、この構造を世に知らしめた最初の建築物とされています。

1階は屋内駐車場や全天候型の多目的スペースとして活用できるほか、ファサードの一部としてデザイン性をもたせた空間作りにも有効な建築工法といえます。

ピロティ構造の家の耐震性能

一般的に、ピロティ構造は耐震性が低いとされています。その理由は「通常あるはずの耐震壁がなく、柱だけの吹き抜け構造となっている」からで、実際に大震災で倒壊したピロティ構造の建物もあります。ただし、ピロティ構造が必ずしも地震に弱いわけではなく、大きな地震を耐え抜いた建物も存在します。

ピロティ構造を採用する際は、耐震性への配慮が求められます。例えば、柱を太くするといった構造的な工夫を施すことで、地震への対策は可能です。

ピロティ構造の家に制震ダンパーの設置がおすすめできる理由

ピロティ構造では耐震壁による補強が難しいため、制震ダンパーの設置が効果的です。制震ダンパーを設置する利点は、以下の通りです。

• 大きな揺れを吸収し、地震の力を弱める
• 建物の崩壊を防ぎやすく、一般的な木造住宅にも設置可能
• 構造体の損傷を軽減し、修繕費の抑制につながる

制震ダンパーとは、木造住宅に取り付けて耐震性を補強する装置です。地震に耐えるためのものではなく、地震で起こる揺れを吸収し、地震の力を他の力に変換することによって建物が崩壊しないようにするための装置です。

制震ダンパーには粘弾性ゴムや油圧が使用されており、強い揺れにも柔軟に対応し、地震の揺れる力を分散させることで、大きな揺れを軽減します。

また、建物の出入り口や窓に取り付けることで、地震時に非常口として利用できる製品もあります。ただし、制震ダンパーの機能を発揮するためには、正しい箇所に正しく設置する必要があります。

ピロティ構造の家で制震ダンパーの活用を検討しよう

ピロティ構造にすることで、1階部分を駐車場や庭として活用でき、土地を効率的に利用できます。

ピロティ構造の家は1階部分に耐震壁がないため、地震発生時に不安を感じることがあります。ただし、柱を太くする、制震ダンパーを設置するなどの工夫を施すことで、耐震性を高めることが可能です。

制震ダンパーは揺れを吸収して構造体への負担を軽減し、建物の損傷を効果的に防ぐ役割を果たすもので、地震後の修繕費用を抑えられるため、全体的なコスト負担の軽減が期待できます。
土地を有効活用するためにピロティ構造の家にしたなら、制震ダンパーを活用しましょう。