掃き出し窓よりも広い開口部があり、リビングから外に直接アクセスしやすいのが「大開口の家」の特徴です。開放感があることと、採光が得られやすいことが魅力ですが、壁の量の少なさから耐震性能が低くなる傾向があります。そこで本記事では、大開口の家の耐震性能と地震対策について解説します。地震時の倒壊リスクを軽減するための家づくりのポイントについても触れていますので、家を建てる際の参考にしてください。
「大開口の家」とは、外につながる大きな開口部がある家のことです。たとえばリビングからテラスへと直接出られる大きな窓があったり、掃き出し窓よりも面積の広い窓を設置したりしている家のことを指します。
開口部を広くすることで得られる魅力には、開放感や十分な採光があります。風通しの良さを感じられることも多く、リビングから庭を一望できるため、自然を感じながら暮らしたいと考える方にも適する間取りです。以上のような魅力から注文住宅において人気の間取りとなっており、横に広い空間ができることから、縦に空間が広い吹き抜けとは違った開放感が生まれるでしょう。
大開口の家は窓を大きくすることにより開放感が生まれますが、その反面、耐震性能が低くなりがちである問題を抱えています。地震の揺れへの強さは、柱の本数や壁の量によって高まる傾向です。しかし開口部分を大きくすると壁の量が減り、地震の揺れに耐えにくくなります。設計によっては、通常通りの開口部の住宅よりも、柱の本数についても減ってしまう可能性があるでしょう。
そのため一般的には、柱や梁を大きくする、構造材で補うなどの補強が行われます。アクセント的に、見える位置に柱が取り付けられることも珍しくありません。また大開口の家では耐震性能を高める構法が採用される場合があります。耐震構法と呼ばれるものがあり、柱や壁が少ない間取りで建てられる住宅に採用されています。
住宅の耐震性能は大開口であるかどうかにかかわらず、立地条件や周辺環境にも左右されます。しかし壁が少ない間取りにするのであれば、地震に対する対策は必要です。
耐震性能が低くなりがちな大開口の家には、制震ダンパーの設置も適しています。
制震ダンパーは地震による揺れのエネルギーを吸収し、建築物に伝わる揺れを軽減する部品です。住宅には耐震性能が求められますが、制震性能は耐震性能にプラスできる地震対策であるため、更に倒壊の危険性を抑えるのに有効と言えます。
大開口の家は壁が少ないため揺れが伝わりやすく、倒壊リスクが高まる傾向があります。そこで、制震ダンパーで建物に伝わる揺れ自体を軽減すれば、大開口の家であっても不安が少なくなるでしょう。
大開口の家は採光が得られやすく開放感がある反面、壁が少ないことから地震に弱い傾向があります。住宅の耐震性能は柱の本数や壁の量に依存するためです。構法や構造の工夫によって住宅自体の耐震性能を高めることもできますが、制震ダンパーを設置すると更に効果的でしょう。
制震ダンパーは地震による揺れのエネルギーを吸収し、住宅に伝わる揺れを軽減する部品です。住宅自体の耐震性能にプラスして、地震対策を強化するうえで役立ちます。
「制震ダンパーは種類が多くて、何を選んだら良いか分からない…」という方のために、手軽に取り付けられる「施工が簡単な制震ダンパー」や、安全性が高い「在来工法を強固にする制震ダンパー」、販売実績がある「知名度が高い制震ダンパー」をご紹介。導入時は、施工性やダンパー本体のサイズ、住宅との相性も確認しましょう。
・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
・リフォーム、後付け、新築、に対応尾可能
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 55mm×245mm×145mm |
設置本数 | 8本~ |
施工期間 | 1.5~2時間 |
・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
・新築のみ対応可能
価格 | 約60万円/40坪 |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 要問合せ |
施工期間 | 要問合せ |
・販促ツールでの工務店フォロー
・無料のシミュレーションソフトを提供
・新築に対応可能。(リフォーム・後付けは要問合せ)
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 4ヵ所/約42坪以下 |
施工期間 | 約2時間/1棟あたり |
(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人
日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。
下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。