コの字型の家の耐震性能とは？

「コの字型の家」は、プライバシーを守りながら中庭を持てる家として人気です。しかしコの字型の家は耐震性能に影響を与える可能性があり、構造以外の対策で地震の揺れを軽減することが求められます。本記事ではコの字型の家における耐震性能と地震対策について解説するので、コの字型の家を建てる際の参考にしてください。

コの字型の家とは

「コの字型の家」とは、上空から見たときにカタカナの「コ」の形をしている住宅のことを指します。具体的には中庭の三面は住宅の壁で覆われているものの、一面のみ外に面しているという形状です。

中庭には「コの字型」以外に「ロの字型」「L字型」があります。ロの字型は中庭を壁で囲む構造で、L字型は二面だけが壁に接しており、外に面する部分が大きい構造です。それぞれメリット・デメリットがありますが、コの字型はロの字型やL字型に比べてプライバシーを保ちやすく、外との出入りがしやすいという利便性があります。

また採光性や通風性に優れること、狭い土地でも実現しやすいこともメリットのひとつです。コの字型の家は気軽に自然を感じつつ、プライバシーは守りたいと考えるときに適すると言えるでしょう。

コの字型の家における耐震性能

コの字型の家は「コ」の内側の部分に壁や天井、床が存在しません。住宅の内側に空間ができるため、コの字型の家は耐震性能が低下しやすいとされています。

住宅は複雑な構造になるほど、耐震性能が低い部分が生まれやすいと言われます。中庭のない家に比べると住宅の凹凸が増えることから建築・設計への高いスキルが求められる構造です。理想とする構造であったとしても、設計や施工の技術に左右され、耐震等級を満たすことが難しい場合も考えられます。

コの字型の家を建てる際には、デザイン性だけでなく、耐震性能も満たしているか確認することが重要です。設計段階から「万が一の地震のとき」のことを考えながらプラン作成を依頼するようにしてください。

コの字型の家に制震ダンパーの設置がおすすめな理由

耐震性能が低くなりがちなコの字型の家には、制震ダンパーの設置がおすすめです。制震ダンパーとは、建物の柱や壁の間に設置して、地震による揺れを吸収・減衰させる装置です。設置すると住宅の耐震性能に加えて、「揺れを軽減する」という効果も得られます。

コの字型の住宅は形状が複雑なため、地震時に建物がねじれたり揺れが増幅したりするリスクがあります。制震ダンパーを適切な位置に設置することで、これらのリスクを軽減し、安心感を高めることが可能です。

コの字型の家で制震ダンパーの活用を検討しよう

コの字型の家はプライバシーを守れて外にも出やすいなどメリットが多い構造ではあるものの、耐震性能の低下というデメリットも持ち合わせています。地震大国と言われる日本において、地震対策が不十分では不安を覚えることでしょう。

そこでぜひ設置したいのが制震ダンパーです。制震ダンパーは基礎部分に分散して設置することもでき、コの字型のような複雑な形状の住宅の地震対策にも適しています。設置すれば、理想の住宅デザインと地震対策を両立できるでしょう。