スキップフロアがある住宅の耐震性能とは？

スキップフロアとは1つの階層を、段差で区切った構造のことです。住宅を建てる時点で耐震対策を立てているはずですが、スキップフロアの耐震性能を更に高めるための方法があります。

本記事では、スキップフロアの概要と耐震性能を高める方法について解説します。

スキップフロアとは

「スキップフロア」とは、段差や階段を利用して部屋と部屋を区切る構造のことです。例えば1階部分の中に段差を設けて、複数のフロアがあるように見せたり、中2階を設置したりする構造のことを指します。

段差によって階層ごとに床の高さが変わるため、同時に天井の高さも変わることが特徴です。ロフトに似ていますが、ロフトとスキップフロアは建築基準法において別のものとされており、スキップフロアは次の2点を満たすことが条件となります。

• 天井の高さが1.4m以下であること
• 直下の階層に対して床面積が2分の1未満であること

天井の高さが1.4m以下であり床面積の条件も満たせば一般居室とはされず、容積率の延床面積に含まれないというメリットがあります。またフロアに変化をつけられること、立体的でデザイン性の高い間取りにできることもメリットだと言えるでしょう。

スキップフロアがある住宅に制震ダンパーの設置をおすすめする理由

繰り返す振動でも倒壊リスクが低くなる

制震ダンパーを設置すると、繰り返す地震に対しても建物倒壊のリスクが低くなります。

大きな地震が発生した後には、小さな余震が繰り返されることが少なくありません。もし大きな揺れのときに建物へのダメージが加わっていれば、余震で倒壊してしまうこともあるでしょう。

しかし制震ダンパーは振動エネルギーを吸収して、建物に伝わりにくくするためのものです。また耐震装置は繰り返しの地震によって強度が低くなることがありますが、制震ダンパーであれば強度低下の問題もなく、性能を発揮し続けてくれます。

建物の長寿命化につながる

地震による揺れが伝わりにくくなれば、建物の長寿命化にもつながります。振動エネルギーは建物の構造部分にダメージを与えることがあり、住宅を内側から侵食していくものとも言えます。

建物の構造部分に設置して、変形しながら構造部を守るのが制震ダンパーです。構造部分へのダメージを減らせるため、建物の長寿命化にも役立ちます。

免震よりも低コストで対策ができる

地震への対策方法には耐震・免震・制震などの種類があります。「耐震＋免震」でも地震への対策を図れますが、「耐震＋制震」のほうが低コストで地震対策を実施可能です。

免震と制震を比較すると、制震の方が免震に比べて約1/4のコストで行えるとされています。さらに免震構造は点検やメンテナンスを定期的に行わなければならず、ランニングコストもかさみます。

できる限りコストを抑えながら地震対策を行いたいと考えたときに、有力な選択肢となるのが制震ダンパーの設置です。

スキップフロアがある住宅で制震ダンパーの活用を検討しよう

スキップフロアとは1つのフロアを段差で区切る構造のことです。たとえ耐震性能の高いスキップフロアであっても、制震ダンパーを設置すると更に地震への耐久力が高まります。

制震ダンパーは免震装置よりも低コストで設置でき、繰り返す地震にも強いことがメリットです。建物の長寿命化にもつながるので、耐震構造にしたうえで制震ダンパーを設置すると、スキップフロアの住宅を長く維持し続けられるでしょう。