工期が短く、費用と品質のバランスに優れている「プレハブ工法」は、仮設住宅や店舗、コストを抑えた住宅などに用いられる工法です。ここでは、プレハブ工法の特徴と耐震性能、制震ダンパーを組み合わせるメリットについて紹介します。
プレハブ工法は、建物の部材をあらかじめ工場で生産し、現場で組み立てる方法です。プレファブリケーション(prefabrication)の略語で、「部材を工場で生産する」という意味の言葉です。
間取りの変更に制限がある、部屋の大きさに一定の制約があるといった課題がある一方で、あらかじめ規格化した部材を工場で大量生産することで、一定の品質を保ちつつコストを抑える効果が見込まれます。現場では大量生産した部材を組み立てるだけで完了するため、作業が効率化し、工期の短縮に貢献します。
プレハブ工法には「ユニット」と呼ばれる部分ごとに工事を進める方法があり、使用する資材によって木質ユニット工法と鉄骨ユニット工法に分類されます。素材の良さを活かしながら工期やコストの削減が見込める点が特徴です。
ユニット系プレハブ工法は、ユニット同士を箱型に組み合わせる構造を採用しており、木造軸組工法と比べて建物全体の剛性が高く、耐震性に優れるとされています。
横方向の力に耐える設計が採用されているため、建物が倒れにくくなっています。鉄骨ユニット工法のように、木材ではなく鉄骨を素材に採用すれば、耐震性能の向上が期待されます。
ただし、マンションやビルなどに採用される鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造の建物に比べると、耐震性能が劣る点に注意が必要です。さらに、経年劣化や腐食による耐震性能の低下を防ぐため、定期的なメンテナンスも欠かせません。
制震ダンパーは、地震の揺れを吸収して建物に揺れが伝わるのを低減させる装置です。通常であれば地震の揺れは建物へ伝わり、柱などにダメージが加わります。制震ダンパーは建物の壁・柱の接合部に設置され、装置が油圧の抵抗やゴムの弾性などを利用して揺れを吸収し、地震の衝撃を吸収し、建物への伝達を抑える効果が期待できます。
プレハブ工法は木造軸組工法よりも高い耐震性能とされていますが、地震エネルギーを低減することはできません。建物に設置できる制震ダンパーは、建物の揺れを抑えることで、大地震時の被害軽減に寄与すると考えられます。
万が一、プレハブ工法の建物が経年劣化を起こしてしまった場合でも、制震ダンパーを取り付けることで突然の揺れに対する応答性を高める効果が見込まれます。経年劣化した建物はそれ自体が地震に弱く、構造的な損傷や倒壊リスクが高まる可能性がありますが、地震エネルギーを抑制することで、倒壊リスクを軽減する効果が期待できるでしょう。
プレハブ工法は、間取り変更や大規模リノベーションといったデザイン面での自由度は限られるものの、工期の短縮やコスト削減、安定した品質の確保といった点で優れたバランスを備えた工法です。建物は安定性があり、耐震性と品質をどちらも兼ね備えた工法のため、費用や工期を抑えたいオーナーにとって有力な選択肢の一つと考えられます。
プレハブ工法だけでは地震の大きな揺れに対処できませんが、制震ダンパーを取り入れることで、揺れからくる衝撃やダメージを低減し、災害時の被害軽減を目的とした家づくりに役立ちます。店舗兼住宅や地盤が安定しづらい地域にも、プレハブ工法と制震ダンパーを組み合わせることで、より効果的な対策が期待できるでしょう。
「制震ダンパーは種類が多くて、何を選んだら良いか分からない…」という方のために、手軽に取り付けられる「施工が簡単な制震ダンパー」や、安全性が高い「在来工法を強固にする制震ダンパー」、販売実績がある「知名度が高い制震ダンパー」をご紹介。導入時は、施工性やダンパー本体のサイズ、住宅との相性も確認しましょう。
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 55mm×245mm×145mm |
設置本数 | 8本~ |
施工期間 | 1.5~2時間 |
・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
・リフォーム、後付け、新築、に対応尾可能
価格 | 約60万円/40坪 |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 要問合せ |
施工期間 | 要問合せ |
・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
・新築のみ対応可能
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 4ヵ所/約42坪以下 |
施工期間 | 約2時間/1棟あたり |
・販促ツールでの工務店フォロー
・無料のシミュレーションソフトを提供
・新築のみに対応可能。(リフォーム・後付けは不可)
(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人
日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。
下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。