ここでは、各メーカーがリリースする制震ダンパーの特徴を簡単に説明しています。オイル、ゴム、鋼材など種類やサイズによっても異なる各特徴と導入事例を参考に、自社に合った制震ダンパーを選びましょう。
ウィザースMSダンパーは、2ヶ所の特殊ブラケットが取り付けられたオリジナルの制振装置です。地震・台風への対策が可能で、本体にはアルミニウム材を採用しているため軽量。さらに耐食性や耐摩耗性も確保しています。ダンパー1本ごとに性能テストを実施し、規定をクリアしたものにはシリアルナンバーを付与しています。
減震くんスマートは、日立Astemo&ナガノの戸建住宅専用制震ダンパーで、主に大手ハウスメーカーが標準採用しています。減震くんスマートは、新築やリフォームの耐震改修に優れた性能を発揮。さらに、一般産業機械用の制震・免震装置用ダンパーとしても採用され、業界からの幅広いニーズに対応しています。
コラボパワーは、地震エネルギーを吸収して建物の揺れを抑えるオイルダンパーです。木造住宅は、一定の耐震性能を持たねばならないことが、建築基準法で定められています。コラボパワーは、木造住宅の元来の耐震性能のほかに、地震エネルギーを吸収する制震機能により、建物の揺れによる構造材の損傷低減に効果を発揮します。
地震の揺れを制御する仕口ダンパーは、ステンレス金具2枚とジエン系粘弾性体1枚で構成されています。粘弾性体を用いることで、仕口ダンパーの剛性および地震の揺れの減衰に関する性能が向上します。木造構造物に一定の剛性と減衰性を与え、揺れによるエネルギーを吸収することで、地震のほかに強風の対策にも有効です。
ダイナコンティは、地震対策に有効な木造構造物用の制震ダンパーです。制震ダンパーとは、地震の揺れを吸収し、また、建物の傾きを軽減する装置です。その際、吸収や軽減のために、ダイナコンティはオイルの粘りを利用しています。大きい揺れにも小さい揺れにも性能を発揮し、地震が繰り返し発生しても建物の損傷が少なくなります。
ぜんぶ見てる時間なんてない?それなら、手っ取り早く「制震ダンパー」3選がおすすめだズン
なまズン
ディーエスダンパー™は、強靱鋼棒を用いて建物の揺れを吸収する制震ダンパーです。ダンパーの両側にある曲面サポートにより強靱鋼棒の変形をコントロールすることで、強靱鋼棒への応力集中を回避し、建物の揺れによるエネルギーを分散吸収して損傷を低減することで、建物の耐震性能を維持します。さらに、断熱材の設置空間を十分に確保した薄型設計となっています。
テクノダンパーは、パナソニックアーキスケルトンデザイン株式会社が扱っている制震ダンパーです。超高層ビルや大規模建築で用いられる「座屈拘束技術」を住宅用に改良したもので、テクノストラクチャーの耐震構造と組み合わせることにより、一般木造住宅と比較して最大約70%揺れを低減できます。また天井の高さ最大2.8mまで対応できるため、テクノストラクチャーならではの高い天井にも対応可能です。
ブレースリー®K型はアルミ製の制震ブレースです。地震が発生すると、地震エネルギーをアルミデバイスに高効率で伝達することにより制震性能を発揮します。その際、エネルギーが伝達されたアルミデバイスは、地震エネルギーを熱エネルギーに変換。温度の影響をほとんど受けない性質のため、厳しい温度変化の中でも制震性能を発揮します。
ミューダム®は、二重構造の鋼管がスライドして作用する制震ダンパーです。地震発生により、スライド部分でのアルミと鋼材の金属流動が発生します。これにより、地震の振れが低減することが、振動台実験による応答変位の時刻歴解析で性能が示されています。さらに、断熱材が併設可能な薄型設計で、外周壁にも設置しやすいのが特徴です。
木造住宅用制震オイルダンパーは、早稲田大学との産学連携により誕生した制震ダンパーです。基礎補強不要で簡単に施工できるのが特徴で、小型のため施工現場でも邪魔になりません。ダンパーを使用した早稲田大学での実大実験では、倒壊も予想される建物が、ダンパーを設置したことで被害が最小に抑えられました。木造住宅専用に開発されているのが特徴です。
ユラレスは、高層ビルの建築で実績のある制震ダンパーを、木造住宅向けに開発した製品です。小さい揺れから大きい揺れまで幅広く効果を示し、構造がシンプルなため導入コストが比較的低く抑えられます。摩擦音や振動が少ない摩擦材を使用し、耐久性も高いため、交換の必要がほぼありません。
αダンパーExⅡは、微震から繰り返す余震、大きな揺れまで対応するオイル式制震ダンパーです。αダンパーExⅡは、大型タイプの他社製品と比べてもコンパクトで軽いため、施工性の高い制震ダンパーといえます。小型タイプのため建物構造に影響を与えず、比較的トータルコストが抑えられるため、お施主様が納得しやすい高性能制震住宅を実現します。
AIM DAMPERは、国土交通省より壁倍率3.3倍の認可を受けている制振装置です。3階建ての建物に適した「AIM DAMPER AⅢ」は、さらに上位ランクの壁倍率4倍として認可を受けています。地震の揺れを抑え・低減させる機能をもち、震度4までは耐震壁として、震度4以上は制振ダンパーとしてそれぞれ機能します。
まもるさん
大地震への備えがより重要となってきた昨今、増改築で制震ダンパーを希望するお施主様が増えているようだ。現場での設置の様子や、施工日までのスケジュールは、下のオイルダンパー導入事例も参考にしてほしい。
C-Wood座屈拘束ブレースシステムは、株式会社コンステックが提供している制振ダンパーです。5つの制振工法から、事前に耐震診断を行ったうえで制振システムの導入が必要になった際に導入されます。少ない数でも高い制振性能を発揮する「耐力壁タイプ」と、柱梁部材の低減に貢献する「方づえタイプ」の2種類が提供されています。
EQガードは、BXカネシンが京都大学と共同開発した鋼板ダンパーです。ダンパーを変形させることで地震の揺れを吸収し、建物が受けるダメージを減らします。国土交通大臣認定を取得し、壁倍率2.8倍の性能で耐力壁として使用可能です。鋼板ダンパー部は、四角鋼管部とベース部で挟み込まれ、圧縮時にたわみが大きくなりすぎないようにコントロールされています。
evoltzは、自動車用ショックアブソーバーの技術をベースに開発した木造住宅用制振装置です。自動車用ショックアブソーバーは、減衰力の増大で躯体の損傷がないよう考慮したバイリニア特性が特徴ですが、evoltzはそれを進化させ、揺れはじめの小さな揺れから性能を発揮する「超バイリニア特性」を採用しています。
FRダンパーは、摩擦力を利用してエネルギーを吸収する木造軸組住宅用の制震ダンパーです。国土交通大臣認定壁倍率5.0倍、4.5倍を取得しています。1台当たりのエネルギー吸収量により、設置台は最小限に収めることが可能です。短時間で設置できる扱いやすさもポイントです。
GRASTは、タイヤ事業を行っていてゴム製品に強みを持つ住友ゴム工業株式会社による制震ダンパーです。次世代高減衰ゴムが使用されており、コンパクト構造でありながら幅広い温度・周波数領域に対応します。大学などとの効果裏付けに関する研究にも取り組んでいます。ビル用、住宅用、橋梁ケーブル用、その他と、種類も豊富です。
GO-TAは摩擦抵抗を利用する制振ダンパーで、繰り返し揺れる地震に強く、頻繁なメンテナンスの必要がないことが特徴です。国土交通大臣認定・壁倍率1.7を取得しており、地震による建物の変形を平均約60%※に抑えられるとされます。耐力壁として壁量に含めることもできます。1箇所約10分で設置できるなど、簡単に施工ができることも特徴のひとつです。
GVAは、制震材を組み込んだダイヤモンド型の制震装置を、建物と相性の良いバランスで設置する制震システムです。大きい地震からは効率よく、頻出する余震からは粘り強く建物を守ります。専門機関と協力した独自の振動実験では、建物にGVAをプラスすることで、揺れを最大70%吸収できることが実証されています。
H.E.A.R.Tは東宝ホーム株式会社で取り扱っている制震ダンパーです。震度7の揺れ幅を最大89%吸収する(※)特徴があります。特殊高減衰ゴムが採用されており、地震エネルギーを熱に変換することで地震から住まいを守ります。また構造面材および筋交いとの併用が可能で、住宅のデザインや間取りに左右されずに設置可能です。
Jackダンパーを用いた「Jackダイナミック制震工法」は、ビル用制震オイルダンパーで磨いてきた制震技術と、自動車用ショックアブソーバーの量産技術を活用した住宅用制震工法です。地震が起きた際の建物の変化を吸収することにより、柱や梁、壁等の負担を軽減できます。60年間メンテナンスフリーなのも魅力的な特徴です。
Jダンパーエボリューションは、地震の力を熱エネルギーに変換して吸収する油圧式の制震ダンパーです。公的機関にて動的試験を完了しており、設計開発から製造に至るまですべてを日本国内で行い、製品の精度にもこだわり続けています。
ぼくが言うのもなんだけど、地震対策は大切だズン
なまズン
Kダンパーは、耐震性能と制震性能の2つを併せ持つ耐力壁です。構造がシンプルで、最小限の設置数で効果が得られます。また、国土交通大臣認定の3.3倍を取得しており、大地震における倒壊リスクゼロを目指しています。摩擦材には、独自開発のフェノール樹脂を採用。独自の実験結果をもとにし、169年に相当する耐久性を公表しています。
KSコボットは、柱などに専用のステンコーチスクリューで取り付けるだけで大地震対策が行える三次元耐震補強金物です。阪神淡路大震災を契機として開発されており、複数の振動実験を経て1000ガルにも耐えられるように調整されています。水平面補強システムなどと組み合わせることで、柱の抜け防止や壁の補強が行えます。
K3は、摩擦材を使用した木造住宅用の制震ダンパーです。ダンパー内部で摩擦を発生させることで、地震による揺れや衝撃を吸収しています。鋼製K型筋かいによる壁倍率4.0倍という耐震性と、温度・速度依存性の確認試験や認定機関による試験や審査をクリアし、国土交通大臣認定を取得しています。
KRASOLは株式会社ブルーハウスが提供している制振ダンパーです。住友ゴムの住宅用制振ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」と同じ素材が使われているため、耐震等級3に対応し、耐久年数60年の長寿命が強み。地震の振動エネルギーを減らす「摩擦ゲンシンパッキン UFO-E」と組み合わせて使うことも可能です。
KVDは経年変化しにくいシリコン系粘性材を採用したシリンダー型粘性耐震ダンパーです。地震の揺れにより建築物に伝わるエネルギーを吸収・分散させる働きにより、応答加速度と建物の変形を抑えます。また内部調圧機構が含まれているため環境温度の変化に強く、さらに振動の数や幅への依存が少ないため安定感があり、長期耐久性に優れることも特徴です。
MAK-1は、耐震工法や免震工法と比較すると低コストで導入できる地震対策です。繰り返し起こる余震に対しても効果を発揮するため、万が一の大震災に備えたい場合に適しています。建物を元に戻す復元力に注目して開発されました。リフォーム工事での導入であれば、お施主様は普段の生活をしたままで3~4日で設置可能です。
MAMORY(マモリー)は、住友ゴム工業が開発した木造住宅用の制震ダンパーです。内蔵している特殊高減衰ゴムが、地震エネルギーを熱に変換し吸収することで、建物の揺れを抑えます。京都大学防災研究所での実大振動台実験で、熊本地震級の地震波を2回加える試験を行っています。
MERシステムは、日本制震システムが開発した木造住宅用制震装置です。シリーズは「Cross Type」「Pillow Type」「Base Type」の3展開があり、地震・強風・交通振動など、構造物に伝わる様々な揺れのエネルギーを吸収する特徴があります。
MIRAIEは、住友ゴム工業独自の高減衰ゴムを使用した制震装置です。高いエネルギー吸収性能により、設置基数を最小限に抑えられます。大型のため後付け不可ですが、新築住宅の地震対策として広く利用されています。地震の揺れ幅を最大95%低減でき、頻発する余震にも効果が期待できます。
MRダンパーは、MR流体の流動時に適度な磁場を加え、流動抵抗を制御して推進力を得るという仕組みの可変減衰型(セミアクティブ)ダンパーです。三和テッキ株式会社では、各種条件に合わせた設計を行っており、要望に合わせた対応が可能です。
SKダンパーは、しなやかな構造で地震の揺れを受け流せるように設計・開発された制振装置です。金沢工業大学建築学部建築学科の後藤教授から監修を受け、制振機能と耐震機能をあわせ持った構造です。2階建ての建物の1階にのみ設置すると45%の地震波が軽減され、1階と2階の両方に設置すると70%の振動軽減効果が期待できるとしています。
QTダンパーは石山テクノ建設株式会社が取り扱っている制震ダンパー。高減衰ゴム「ゴムチェーンダンパー」を使用した制振装置で、建物の揺れを50%以上低減できます。基礎にしっかりと固定する完全自立型制振装置で、建物の揺れに直接作用する明快な構造となっているのが特徴です。また資格認定を有した会員による設計施工体制のため、安心して設置できます。
TRCダンパーは、特殊粘弾性ゴムをダンパーに入れて伸縮させることで、地震エネルギーを熱エネルギーに変換できる制震システムです。自動車用防振ゴムで世界的シェアを誇る住友理工のゴム配合技術により開発された特殊粘弾性ゴムは、エネルギーを瞬時に変換して吸収する性能が認められています。
X-WALLは、耐震性のほかに制震性と復元性を備えた制震ダンパーです。地震による変形を67%抑制することが独自実験で示されており、耐力壁としての効果も期待できます。熊本地震後、熊本県内でX-WALLを採用したすべての住宅で、大きな損傷はありませんでした。
トグル制震ブレースは、地震の揺れを軽減するだけでなく、建物が地震後も継続して使用できるように繰り返し起こる大地震にも耐えうる強度を備えているのが特徴です。回転支承部には鉄を叩いて鍛えた鍛造品を使用しており、新築建物にも耐震改修にも用いられています。
VDWは、粘性の高い流体の粘性抵抗力を利用して作られています。振動によって吊り上げている鋼板が粘性体の中で移動し、せん断抵抗力が発生して揺れを抑えるという仕組みです。水平方向・上下方向のいずれの変形にも対応しており、粘性体の交換は不要な耐久性の高さも強みです。
V-RECS〈SG〉は機能性・作業性・経済性に優れた軽量コンパクトな制震ダンパーです。地震の揺れを最大約60%軽減する機能性を持っています。筋交い耐力壁と同一の壁に設置できるため、希望の設計プランのまま制振装置を設置可能です。また施工性向上を目的にユニット化した製品オプション「省令準耐火グラスウール」を使用することで、省令準耐火構造にも対応できます。
REQダンパー2は、フクビ化学工業株式会社で取り扱っている耐震ダンパーです。従来品より性能の高めた製品で、1棟あたりの使用数を軽減し、取り付けの手間とコストの削減が期待できます。平成28年の熊本地震を再現した性能実験では、計3回の加振を加えても、安全限界の基準を超えることなく、倒壊しないことを実証しました。
WUTEC-SFは未来生活デザイン株式会社で取り扱っている制震ダンパーです。建物の揺れ幅を最大80%低減(※)する特徴があり、幾何原理と高純度アルミニウムにより、高い制震性能を実現しています。銅とアルミニウムの建築指定材料、耐食性に優れた溶融亜鉛スズ合金メッキを使用しており、時間による劣化や温度変化による性能変化がほとんどありません。
WINダンパーは、株式会社アルシスで取り扱っている耐震ダンパーです。株式会社アルシスが自信をもっておすすめできる耐震ダンパーであり、「熊本地震に耐えてくれた」「電車・台風の振動が無くなった」という好評な声が多い特徴もあります。株式会社アルシスでは、OEMにも対応しているので、有名メーカーより安く仕入れることも可能です。
地震の大きさに関わらず、制震機能を発揮
・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
筋かいの多い在来工法の
木造住宅を、より強固に!
・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
新築限定!圧倒的な
知名度でお施主様も納得
・販促ツールでの工務店フォロー
・無料のシミュレーションソフトを提供
*1:(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人 日本免震構造協会」公式サイトに掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを選出しています(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発商品を除く)。
ぼくが言うのもなんだけど、地震対策は大切だズン
なまズン