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パネル工法の家の耐震性能とは?

ここでは、パネル工法の概要と耐震性能について解説しています。

パネル工法とは

住宅の耐震性を高めるための選択肢として、パネル工法は注目すべき工法の一つです。この工法では、工場であらかじめ製造されたパネルを建築現場で組み立てて住宅を構築します。あらかじめ製造された部材を使う点から、プレハブ工法の一種とされています。

パネル工法には主に三つの種類があり、それぞれの構造部材によって分類されます。まず「木質パネル工法」は、木製のパネルで天井や床、壁といった住宅の6面を構成し、釘ではなく接着剤で接合するのが特徴です。このタイプは壁そのものが構造を支える「壁式構造」に分類されます。次に「鉄骨パネル工法」は、鉄骨で組んだ骨組みにパネルを取り付ける方法で、「軸組構造」にあたります。そして「コンクリートパネル工法」は、工場製のコンクリートパネルを現場で組み立てるもので、木質パネル工法と同じく壁式構造です。

このようなパネル工法の大きな利点は、品質の安定性と工期の短縮にあります。パネルを工場で製作するため、現場ごとのばらつきが少なく、施工のスピードも速めることが可能です。一方で、設計の自由度が下がる傾向にあり、複雑な間取りや独自性の高いデザインには向いていないこともあります。また、現場の立地条件によっては大型のパネル搬入が困難になることもあり、輸送費が高くなる点にも配慮が必要です。

パネル工法の家の耐震性能

住宅の耐震性を重視する場合、パネル工法は有力な工法といえます。この工法の最大の特長は、建物全体がモノコック構造になる点にあります。モノコック構造とは、構造の外皮—つまり外壁や床、天井などの面そのものが強度を担い、力を分散して受け止める仕組みです。これにより、地震などでどの方向から力が加わっても、建物全体が一体となって衝撃を吸収するため、ゆがみやひずみが発生しにくいのです。

このような構造的な特性により、パネル工法で建てた家は耐震性が高いと評価されています。壁や床が面としてしっかり連結されているため、局所的に弱い部分ができにくく、建物全体の剛性を高めることができます。これは、地震時に建物が倒壊したり損傷したりするリスクを減らす要因となります。

さらに、パネルはすべて工場で製造されるため、現場での施工精度に左右されにくいというメリットもあります。つまり、熟練した職人でなくても一定水準以上の品質を確保しやすくなるので、設計通りの構造により計画した通りの耐震性能を発揮することが期待できます。この点も、パネル工法が耐震性に優れているといわれる大きな理由です。

パネル工法の家に制震ダンパーの設置がおすすめできる理由

パネル工法は、建物全体を一体化させるモノコック構造を形成することで、優れた耐震性能を発揮する工法として知られています。しかしながら、どれほど耐震性の高い構造であっても、それだけであらゆる地震に完全に対応できるわけではありません。特に、規模の大きな地震が繰り返し発生するようなケースでは、建物の構造部材に少しずつダメージが蓄積していくおそれがあります。その結果、初期の地震では大きな損傷がなかったとしても、次の地震で予想以上の被害が発生する可能性があるのです。

こうしたリスクに対して有効な対策の一つが、「制震ダンパー」の設置です。制震ダンパーは、地震のエネルギーを熱や変形のかたちで吸収し、建物が受ける衝撃を和らげるための装置です。油圧式や特殊なゴム素材を使用したタイプが一般的で、建物の構造の中に設置することで、地震の揺れによって加わる力を分散・吸収し、構造全体への負担を軽減します。

パネル工法の住宅に制震ダンパーを併用することで、すでに高い耐震性能を備えた構造に、さらなる「制震」という要素を加えることができます。これにより、地震による損傷の発生を抑制し、構造部材の健全性を長期間維持することが期待されます。また、揺れそのものを抑える働きもあるため、建物内にいる居住者の身体的・心理的な負担を軽減し、家具の転倒などによる二次被害も防ぎやすくなります。

パネル工法の家で制震ダンパーの活用を検討しよう

制震ダンパーの導入は、単なる耐震性の強化にとどまらず、建物の長寿命化や居住者の安全性・快適性の向上にも大きく寄与します。特に、繰り返しの地震に備えた対策として、パネル工法と制震技術の組み合わせは、地震に強い住宅を実現するうえで非常に有効な手段といえるでしょう。

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αダンパーExⅡ トキワシステム

トキワシステム_製品イメージ
引用元:トキワシステム公式HP
(https://www.tokiwa-system.com/concept/)
特徴

・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
・リフォーム、後付け、新築、に対応尾可能

対応住宅
  • リフォーム
  • 新築
  • 古民家
  • 3階建て
スペック
価格 要問合せ
サイズ 55mm×245mm×145mm
設置本数 8本~
施工期間 1.5~2時間

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GVA(ジーバ) アイ・エム・エー

アイ・エム・エー_製品イメージ
引用元:アイ・エム・エー公式HP
(https://www.imanet.jp/construction_technique/)
特徴

・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
・新築のみ対応可能

対応住宅
  • 新築
スペック
価格 約60万円/40坪
サイズ 要問合せ
設置本数 要問合せ
施工期間 要問合せ

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MIRAIE(ミライエ) 住友ゴム工業

住友ゴム工業_製品イメージ
引用元:住友ゴム工業公式HP
(https://miraie.srigroup.co.jp/miraie/)
特徴

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・新築に対応可能。(リフォーム・後付けは要問合せ)

対応住宅
  • 新築
  • 3階建て
スペック
価格 要問合せ
サイズ 要問合せ
設置本数 4ヵ所/約42坪以下
施工期間 約2時間/1棟あたり

(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。

参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)

【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人 日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。

下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。

制震ダンパーの選び方が
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