制震ダンパーを入れると耐震等級に影響するってホント？

制震ダンパーの設置箇所には耐力壁が造れないため、耐震等級に影響することがあります。しかし、ダンパーが地震のエネルギーを減衰して耐震性に余裕を持たせることができるため、結果として安全性は向上します。ここでは、お施主様から質問を受けた際の回答例を紹介します。

耐震等級ごとに制震ダンパーの影響について説明

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「共振現象」は、建物は揺れやすい周期（固有周期）を持っており、周期で揺れが加わると共振現象が増幅されます。耐震等級が高くなるほど建物が硬くなり、固有周期が短くなりますが、地震波の周期と建物の固有周期が一致すると、どんなに耐震等級が高くても共振現象により揺れが大きくなります。

まずは耐震と制震の関係を知ることが大事

耐震は、地震のエネルギーを受けても倒壊しない堅固さに関する性能です。対する制震は、地震のエネルギーを減衰させて建物への影響を抑える性能。制震は、耐震性のある建物にプラスされることで、力を発揮する性能です。

どんなに強固な建物も、繰り返し強い揺れにさらされれば、少しずつダメージを受けます。そのリスクを抑えるのが、制震です。揺れるごとにエネルギーを吸収する制震には、熊本地震で大きな被害を出す原因となった「共振」のような現象を抑える効果もあります。建物が受けるエネルギーを減衰させ、耐震性に余裕を持たせる機能が制震なのです。

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制震ダンパーは正しい配置で効力を発揮する

制震ダンパーは、正しく設置してこそ効果を発揮します。大切なのは、住宅の構造物の配置に基づいて、適切な個数を適切な部位に取り付けること。きちんと計画せずに適当に設置すると、かえって建物に負荷をかけることになりかねません。制震ダンパーを設置するところには耐力壁を作れないため、上手にバランスを取ることが大切になります。
制震ダンパーは付けておけば良いというものではなく、正しく設置することが大切であることを、押さえておきましょう。

「耐震等級3だから制震ダンパーは不要」は間違い！

耐震等級の高い住宅であっても、大きな揺れに何度も見舞われると、接合部などに少しずつ弛みが出て倒壊に至る危険があります。その状況を回避するのが、制震です。制震ダンパーを用いることで構造にかかる負荷が軽減され、耐震性の維持につながるのです。

大地震が頻発する今求められるのは、地震の後でも住みつづけられる住宅です。耐震等級3にするより、等級を下げてでも制震ダンパーを組み合わせる方が、住宅が受けるダメージを減らせます。費用と安全性のバランスを踏まえ、工務店自ら、お施主様に制震ダンパーをおすすめすることが、満足度の高い家づくりにつながります。

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