制震ダンパーの設置によって「キラーパルス」への対策も行えます。本記事ではキラーパルスの概要や被害について解説した後に、制震ダンパーによる対策法についてご紹介していきます。
キラーパルスとは地震による短い揺れの周期のことです。1~2秒くらいの周期で起こり、一般住宅のような低い建物への影響が大きいとされます。
なぜなら建物の揺れと地震の周期が重なるように発生すると共振が生じることがあり、実際の地震の振動よりも大きな揺れになってしまうためです。震度が同じであっても、キラーパルスが起きるとさらに揺れが強くなり、建物倒壊の危険性が高まります。
キラーパルスは低い住宅や木造住宅に被害を及ぼすことが多く、耐震等級2以下の住宅において倒壊の危険性が高まるとされています。反対にキラーパルスが起こったとされる熊本地震では、耐震等級3の住宅では大きな被害が生じませんでした。
参照元:ウェザーニュース公式HP(https://weathernews.jp/s/topics/202304/060275/)
住宅を建設する際に、構造材の間に制震ダンパーを入れると、地震の揺れを熱エネルギーに変換できるようになり揺れを軽減できます。主に壁や柱などに設置されるケースが多く見られます。
耐震技術では揺れを抑えられません。そのため実際の地震の揺れではないキラーパルスへの対策としては不十分であり、制震ダンパーの設置により住宅の横揺れを防ぎやすくなります。
制震ダンパーだけでなく、免震装置も導入することによりさらにキラーパルスへの対策が強固となります。免震装置は免震部分にて地震による揺れを吸収し、建物への地震エネルギーの伝導を抑える役割を果たすものです。
免震装置は建物と基礎の間に導入されるため、制震ダンパーよりも先に揺れに対応します。免震装置で揺れを吸収し、それでも建物に伝わってしまった揺れを制震ダンパーで別のエネルギーに変換できれば、地震の揺れによる影響をかなり小さく抑えられるでしょう。
建設前に地盤改良工事を行うのもキラーパルス対策のひとつとして有効です。もし地盤が軟弱なようであれば杭状の基礎を設置したり地盤を固化材で固めたりすれば、地盤の軟弱さによる揺れの増幅を抑えられるようになります。地盤調査を行って軟弱だとの結果が出たら、地盤改良工事を実施することによりキラーパルスへの不安が軽減されます。
キラーパルスは一般住宅のような低層の建物への倒壊の危険性を高める共振を引き起こします。対策をするには、制震ダンパーや免震装置などを併用して、揺れを軽減するための措置が必要です。
日本は地震大国です。地震の揺れに対する対策は、どれだけ行っても多すぎることはありません。建物の耐震性能はもちろん、制震ダンパーや免震装置も併用して、倒壊の危険性が少ない住宅を建てると不安が少なくなります。
「制震ダンパーは種類が多くて、何を選んだら良いか分からない…」という方のために、手軽に取り付けられる「施工が簡単な制震ダンパー」や、安全性が高い「在来工法を強固にする制震ダンパー」、販売実績がある「知名度が高い制震ダンパー」をご紹介。導入時は、施工性やダンパー本体のサイズ、住宅との相性も確認しましょう。
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価格 | 要問合せ |
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サイズ | 55mm×245mm×145mm |
設置本数 | 8本~ |
施工期間 | 1.5~2時間 |
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価格 | 約60万円/40坪 |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 要問合せ |
施工期間 | 要問合せ |
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・新築に対応可能。(リフォーム・後付けは要問合せ)
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 4ヵ所/約42坪以下 |
施工期間 | 約2時間/1棟あたり |
(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人
日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。
下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。