地震の揺れを吸収することで、地震から住まいを守る制震ダンパー。そんな制震ダンパーですが、住宅工法によっては対応できない場合もあります。また対応できたとしても耐震等級を下げないように配置設計しなくてはいけません。木造軸組工法と2×4工法で導入できる制震ダンパーについて見ていきましょう。
お施主様へ制震ダンパーの必要性を説明する際には、「工務店にとっては当たり前でも、一般の方はよく知らない」情報もセットで伝えることが肝心です。
木造軸組工法は在来工法とも呼ばれ、古来より日本で受け継がれてきた木造建築の技術を改良して発展させてきた建築方法。その主な特徴は、柱と梁によって建物を支える構造であること。コンクリートで作られた基礎の上へ柱と梁で建物の骨組みを作り、屋根を張った後に壁や窓、扉などを取り付けます。
木材を組み合わせるため設計の自由度が高く、リフォームや増改築にも対応しやすい木造軸組工法は、設置可能な制震ダンパーがほとんどです。そのため、お施主様にとっても、導入のハードルは高くないといえます。
2×4工法は、既成サイズの木材を組んで板を合わせる単純な工法のため、家を建てる際には工期が短く品質が安定していることがメリットです。しかし、2×4工法の場合、制震ダンパーの種類によっては配置設計が難しいため、留意が必要です。その理由は、規格化された木材を使用する2×4工法では、壁倍率や耐震等級の関係で設置できる場所が限られるため。導入時は、配置計画を十分に行い、耐震等級に影響がないよう配置することが大切です。
また、制震ダンパーの中には木造軸組工法のみ対応していて、2×4工法は対応不可という製品もあるので、お問い合わせ時にメーカーへ問い合わせるのがベターです。
まもるさん
工務店・現場作業のプロなら、自分たちの手で「耐震等級」を満たして建てた家には十分自信があるはずだ。地震が多発する日本だからこそ、今後はもっと安心して住める家づくりのために、制震ダンパーで補強することも考えていこう。リフォームにも2×4工法にも対応可能な制震ダンパーを例に、下の導入・販促のヒントを参考にしてほしい。
リフォームにも2×4工法にも対応可能な
「制震ダンパー」導入・販促<虎の巻>を見る
家を建てる際、当然ですが耐震性は重要です。木造軸組工法・2×4工法ともに、耐震等級3にするには、かなりの量の耐力壁が必要となりますが、耐力壁と制震ダンパーの両方を、同じ位置に設置することは基本的にできません。万が一、制震ダンパーの設置方法を間違うと、もともと維持していた壁倍率が下がり、場合によっては耐震等級まで下げてしまう恐れも。お施主様の不安を払拭するためにも、制震ダンパーの配置設計は重要です。耐震等級が下がらないように制震ダンパーを配置する必要があります。
制震ダンパーの種類と工法の組み合わせによっては、住宅に取り付けられない場合があることが分かりました。取り付けるときには、耐震等級が下がらないよう計画図をもって配置するのが基本。お施主様の住宅工法と相性の良い制震ダンパーを選ぶには、 建物の仕様に影響を与えない製品を見極める知識も必要です。また、コンパクトサイズの制震ダンパーなら、設計や間取りの制限もほとんどないため、比較的どの工法にもマッチするでしょう。
まもるさん
お施主様が納得する制震ダンパーを決めるなら、下のボタンから特徴を比較してみよう。最近は、熊本地震のように、いつ発生するか分からない地震への備えが重要だ。工務店の説明で安心していただくためにも、制震ダンパーの仕組みをしっかり把握して、建物に合ったものを選んでほしい。
「制震ダンパーは種類が多くて、何を選んだら良いか分からない…」という方のために、手軽に取り付けられる「施工が簡単な制震ダンパー」や、安全性が高い「在来工法を強固にする制震ダンパー」、販売実績がある「知名度が高い制震ダンパー」をご紹介。導入時は、施工性やダンパー本体のサイズ、住宅との相性も確認しましょう。
・40坪、最短2時間で設置完了
・120年(※1)の品質保証があるためメンテナンス不要
・リフォーム、後付け、新築、に対応尾可能
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 55mm×245mm×145mm |
設置本数 | 8本~ |
施工期間 | 1.5~2時間 |
・2×4工法にも取り付け可
・タスキと筋交いと同フレームへ設置可能
・新築のみ対応可能
価格 | 約60万円/40坪 |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 要問合せ |
施工期間 | 要問合せ |
・販促ツールでの工務店フォロー
・無料のシミュレーションソフトを提供
・新築に対応可能。(リフォーム・後付けは要問合せ)
価格 | 要問合せ |
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サイズ | 要問合せ |
設置本数 | 4ヵ所/約42坪以下 |
施工期間 | 約2時間/1棟あたり |
(*1):(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人
日本免震構造協会」公式サイトに社名が掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを3社選出(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発製品を除く)。
下記に「素材別・制震ダンパー比較表」をご用意しました。技術担当者や決裁者など社内理解を得る際や、稟議書の添付資料としてご活用ください。