VDW(粘性制震壁)は、高い粘性のある流体の粘性抵抗力を利用して作られた、減衰装置です。地震動以外に、風振動や機械振動にも効果が期待できます。ここではVDWの特徴や使用を紹介します。
VDWは、複層の鋼板が薄い箱状の容器に、粘土が高い粘性体を充填して、上部の開口部から鋼板を挿入して作られます。振動で上から吊り下げている鋼板が粘性体の中で移動する際、せん断抵抗力が発生します。それによって揺れを抑える、という仕組みです。
また地震動はもちろんですが、風振動や機械振動といった日常の業務や天候の変化によって発生する振動にも対応しています。建設中のタワークレーン・風による振動にも有効で、施工精度のアップにもつながります。水平や上下方向のいずれの変形にも対応できるため、どのような対応の振動であっても問題ありません。
さらに耐久性の高さも強みです。粘性体の交換を行う必要がなく、面倒な手間もかからず効果が維持できます。コア部や間仕切り部など使用する場所も問わず、設置しやすいでしょう。
実際に導入する場合、サイズは任意で製作が可能です。もちろん減衰装置としてしっかりと働けるためのサイズや数を必要としますが、必要以上の設置をする必要はありません。もち論場所も、任意の場所に設置が行えます。設計自由度が高いため、制震性は高めたいけれど空間の使い方に制限が出てしまうのは困る、という場合でも導入しやすいです。
まもるさん
良品を見極めるには、基礎知識に加えて、正しい選び方や各メーカーが公表する躯体実験のエビデンスなども見ておくといい。開示情報が多いメーカーの実験動画も参考にするなら、下のリンクで紹介している「制震ダンパー」3選もぜひチェックしてほしい。
VDWの減衰力は内壁の動く速度の大きさで増加するため、以下の式を参考にしてください。
Qc=Cw × V^κ
Cw=α × μ30 × e^β(f,t) × Ae / dy
Qc:基準減衰力(kN) V:相対速度(m/s) κ:速度乗数(実験係数)
α:補正係数 t:温度(℃)(基準温度 = 20℃) f:振動数(Hz)
Ae:せん断有効断面積(m2)(粘性体層数 × 見付有効面積)
μ30:30℃の基準粘度(kN・s/m2)(=90000(kN・s/m2))
dy:粘性体層間隙(mm) β(f,t):温度tと振動数fの依存性係数(実験係数)
速度:0.5 cm /s 以上20 cm /s以下 振幅:5.0 mm 以上40 mm以下
振動数:0.2 Hz以上1.0 Hz以下 温度:10 ℃以上 35 ℃ 以下
粘性制震壁のアスペクト比:H / W = 1.5以下推奨 せん断隙間:4mm, 5mm
公式HPに記載がありませんでした。公式サイトには実際に導入した事例の写真のみ掲載されています。ぜひ参考にしてください。
会社名 | 株式会社 免制震ディバイス |
---|---|
所在地 | 東京都千代田区三番町6番26号住友不動産三番町ビル5階 |
電話番号 | 03-3221-3741 |
公式HP | https://www.adc21.com/ |
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*1:(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人 日本免震構造協会」公式サイトに掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを選出しています(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発商品を除く)。
ぼくが言うのもなんだけど、地震対策は大切だズン
なまズン