制震ダンパーは、地震時の揺れを抑えて建物の損傷軽減を目的として設置される装置の一種です。耐震性能向上を目的とする装置である一方で、断熱性能の低下や熱橋(ヒートブリッジ)の原因になることを懸念する方もいます。本記事では、熱橋とは何か、制震ダンパーが熱橋を引き起こす可能性があるのかについて解説します。
熱橋(ヒートブリッジ)とは、住宅の構造の中で断熱性能が部分的に低下し、熱が逃げやすくなっている箇所のことです。外気の熱や冷気を室内に伝えやすい部分を指します。代表的なのは、住宅に使用されている鉄骨やアルミサッシ、鉄筋コンクリートなど、熱伝導率の高い材料です。
熱橋が発生すると断熱性能が低下し、以下の2つの大きな問題を引き起こします。
制震ダンパーが熱橋(ヒートブリッジ)の直接的な原因になる可能性は低いとされています。金属製であるため心配されることがありますが、以下の2つの理由から、熱の逃げ道になることはほとんどありません。
制震ダンパーは通常、外気に触れる場所ではなく、壁の内側(柱や梁の間)に設置されます。外気と直接接しないため、外の冷気や熱を室内に引き込むリスクは低くなります。
施工の際、ダンパーの周囲も含めて断熱材が途切れないように設計・施工されます。充填断熱などを行う際も、隙間なく処理することで熱橋のリスクを抑えることが可能です。
制震ダンパーを導入する際は、熱橋のリスクを最小限に抑えるために「設置場所の選定」と「断熱材の施工精度」という二つの観点から計画を立てることが欠かせません。
まず設置場所に関しては、外気の影響を受けやすい外壁面や、建物を守る断熱層を貫通してしまうような位置を避けることが基本です。可能な限り柱や耐力壁の間、あるいは部屋の入隅といった室内側に納めることで、外部からの熱の出入りを遮断し、熱橋の発生を未然に防ぎやすくなります。
また、採用する断熱工法に応じた施工の工夫も重要なポイントです。柱の間に断熱材を入れる充填断熱の場合は、制震ダンパーの周囲にわずかな隙間も生じないよう、緻密に断熱材を充填して外気との接触を最小限に抑える必要があります。
一方、建物を外側からすっぽりと包み込む外張り断熱であれば、構造体全体が連続した断熱材で覆われるため、制震ダンパーだけでなく、熱を伝えやすい鉄骨やボルトなどの金物類も含めた包括的な熱橋対策が可能となります。
制震ダンパーは耐震性能向上を目的とする装置ですが、熱橋を引き起こす可能性もゼロではありません。設置位置や断熱施工の方法によっては、局所的に熱が伝わりやすくなる恐れがあります。住宅建築の際には、制震ダンパーの性能はもちろん、断熱計画や設置場所を含めて慎重に検討することが重要です。耐震性と断熱性を両立した設計を行うことで、地震に強く、かつ快適に暮らせる住まいを手に入れられます。

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*1:(株)トキワシステムが販売する「αダンパーExⅡ」製品に関して保証するものです。設計施工マニュアルに従った設置で、保証期間内に故障をした場合に限ります。無償修理、有償修理にかかわらず、修理が必要と判断される場合、本製品の設置および取り外し、再設置費用については保証対象外となります。
参照元:トキワシステム公式HP(https://www.tokiwa-system.com/hosho/)
【選定基準】
2022年6月1日調査時点において、「制震ダンパー」「制震装置」「制震システム」でGoogle検索して表示される全ページおよび「一般社団法人 日本免震構造協会」公式サイトに掲載されている中から、木造建築物を対象に制震機能のある装置をリリースし、「実績、実験結果、制震材の数的情報ページがある製品」という条件をクリアしたメーカーを選出しています(大手ハウスメーカー標準採用の独自開発商品を除く)。
ぼくが言うのもなんだけど、地震対策は大切だズン

なまズン