耐震改修として制震ダンパーを設置する際に、国や自治体の補助金・助成金制度を活用できるケースがあります。制震ダンパーの設置を計画する前に、活用できる制度を理解しておくことが大切です。本記事では、耐震改修に活用できる補助金・助成金と制震ダンパー設置費用について解説します。
国は既存住宅・建築物の耐震性向上を支援する目的で、「住宅・建築物安全ストック形成事業」を実施しています。住宅の耐震診断や補強設計、耐震改修などが支援対象です。国から施主へ直接支給される仕組みではなく、地方公共団体が実施する事業を通じた支援であるため、所在地の自治体に確認する必要があります(※1)。
また、耐震改修を行った住宅では、一定の要件を満たすことで固定資産税の減額措置を利用できる場合があります(※2)。耐震改修に関連する税制も把握しておきましょう。
※1参照元:【PDF】国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001995225.pdf)
※2参照元:【PDF】国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001732362.pdf)
条件を満たしていれば、自治体による耐震診断や耐震改修の補助・助成制度を利用できる場合があります。
例えば、世田谷区の木造住宅向け耐震化支援では、所定の条件を満たす住宅は無料で耐震診断を受けられます。耐震診断で上部構造評点が1.0未満と判定された木造住宅が、補強設計や耐震改修工事などの助成制度を利用できる仕組みです(2026年9月調査時点※3)。
契約・施工前に利用の申請が必要な場合もあるため、初期相談や耐震診断から申請手続きまでの順序を理解しておくことが大切です。所在する自治体の窓口や公式サイトなどで最新情報を確認しましょう。
※3参照元:【PDF】世田谷区(https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/3893/mokuzou-kyuutaishin.pdf)(1-4ページ)
制震ダンパーの設置費用は、製品の種類や必要な数量、建物の構造、施工条件などにより変わりますが、導入費は1棟15~30万円程度が一つの目安です。
一方で、制震リフォーム工事全体の費用は100万円を超える場合もあるため、予算を立てるときに注意してください。制震ダンパー設置費用については以下の記事で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
既存住宅に制震ダンパーを設置する費用の内訳は、以下の通りです。
耐震改修工事の内容によっては、壁の解体や補強、仮住まいなどの費用が加わります。また、ダンパー本体の購入費用は、製品の種類や設置する数量などにより変動します。
制震ダンパー設置を含む耐震改修工事では、国や自治体の補助金・助成金制度を活用できるケースがあります。ただし、ダンパー設置だけが対象になるとは限らないため、制度ごとに定められた条件を確認することが大切です。また、契約や工事の着手前に申請が必要な制度もあるため、手続きのタイミングや期間に合わせてスケジュールを組むことも求められます。
新築へ制震を取り入れる工務店・住宅会社に向けて、設計・施工で重視するポイントから3製品を比較します。自社の間取り・工法への取り入れやすさ、施主へ提案する際の根拠、耐力壁との一体化に着目しました。各製品の短い紹介と比較項目から候補を絞り、詳しい仕様・条件を下段で確認してください。
αダンパーExⅡ
トキワシステム
画像引用元:提供資料
TRCダンパー
住友理工
画像引用元:住友理工公式HP(https://www.sumitomoriko.co.jp/trc-damper-wh/lineup/trc30a.html)
X-WALL
アイ・エム・エー
画像引用元:アイ・エム・エー公式HP(https://www.imanet.jp/xwall/xwall02/)
※1:αダンパーExⅡの寸法図には、最大幅55mm・墨出し寸法245mm・取付金具の寸法145mmが示されています。表の数値は単純な外形寸法の3辺ではありません。公式パンフレットの寸法図(6ページ)をご確認ください。
※2:αダンパーExⅡの2〜3時間は、公式FAQで案内されている20坪程度・ダンパー12本の場合の目安です。現行製品ページでは、40坪・1人の場合に約半日と案内されています。面積・本数・作業人数に合わせて施工時間を確認してください。
※3:TRCダンパーとX-WALLはいずれも新築・リフォームに対応しています。ただし、建物の工法・構造や製品ごとの施工条件によっては設置できない場合があります。詳しくはTRCダンパー公式サイト、X-WALL公式サイトをご確認ください。
選定基準:新築の木造住宅への導入を検討でき、公式HPで製品仕様と導入時の支援を確認できる製品から、上記の重視点に合う3製品を紹介しています(2026年10月22日確認)。掲載順は性能の順位ではありません。
制震は耐震設計と組み合わせて検討する対策です。壁倍率は耐力壁としての評価値であり、数値だけで制震効果は比較できません。対応工法・設置条件・費用は、計画中の建物に合わせて各社へ確認してください。